転職回数が多い方にとって、履歴書の職歴欄は頭を悩ませるポイントです。「書ききれない」「転職が多いとマイナスに見られるのでは」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、職歴はすべて正確に記載するのが基本ルールです。省略するとバレた場合に経歴詐称と見なされるリスクがあります。ただし、書き方を工夫することで読みやすく、好印象を与える履歴書に仕上げることは可能です。

この記事では、職歴が多い場合の履歴書の書き方、書ききれない場合の対処法、そして好印象を与えるためのコツを詳しく解説します。
🦁 ナビ助のおすすめ!
職歴欄の基本的な書き方ルール
まず、職歴欄の基本的な書き方を確認しておきましょう。
- 学歴の下に1行空けて「職歴」と中央に記載する
- 入社・退社を時系列順に記載する
- 会社名は正式名称で書く(株式会社を(株)と略さない)
- 在職中の場合は「現在に至る」と記載する
- 最後の行に右寄せで「以上」と記載する
基本フォーマットは以下のとおりです。
| 年月 | 記載内容 |
|---|---|
| 令和○年○月 | 株式会社○○ 入社 |
| 営業部に配属 法人営業を担当 | |
| 令和○年○月 | 一身上の都合により退職 |
退職理由は「一身上の都合により退職」(自己都合の場合)または「会社都合により退職」(リストラ・倒産等の場合)と記載します。それ以上の詳しい理由は職務経歴書や面接で説明すれば問題ありません。
職歴が多くて書ききれない場合の6つの対処法
職歴が多い場合でも、省略や虚偽記載は避けましょう。代わりに、以下の工夫で限られたスペースに収めることができます。
1. 入社と退社を1行にまとめる
通常は「入社」と「退社」を別の行に書きますが、スペースが足りない場合は「株式会社○○ 入社(令和○年○月退職)」のように1行にまとめる方法があります。これで行数を半分に減らせます。
2. 部署名・業務内容を省略する
通常は「営業部に配属 法人営業を担当」のように業務内容を添えますが、職歴が多い場合はこの行を省略しても問題ありません。詳しい業務内容は職務経歴書に記載しましょう。
3. 職歴欄が多い履歴書を使う
市販の履歴書には職歴欄の行数が異なるものがあります。転職回数が多い方は、職歴欄の行数が多いフォーマットを選びましょう。転職サイトからダウンロードできるテンプレートの中にも、職歴欄が広いものがあります。
市販の用紙を買う場合は、パッケージに「職歴欄が多いタイプ」「転職者向け」と書かれているものを選ぶと失敗しにくいです。書き損じに備えて、複数枚入りのセットを選んでおくと安心です。
4. 学歴を最終学歴のみにする
小学校・中学校の学歴は省略し、最終学歴(大学・専門学校など)のみを記載することで、その分のスペースを職歴に回せます。転職活動では最終学歴だけで十分です。
5. 「詳細は職務経歴書をご参照ください」と記載する
どうしても書ききれない場合は、職歴欄の末尾に「詳細は別紙職務経歴書に記載」と添えて、職務経歴書で詳しく説明する方法もあります。
6. パソコンで作成してフォントサイズを調整する
パソコンで履歴書を作成する場合は、フォントサイズを10pt程度に小さくしたり、行間を詰めることで情報量を増やせます。ただし、読みやすさを損なわない範囲で調整しましょう。9pt以下にすると読みにくくなるため注意が必要です。

職歴を省略するのはアリ?経歴詐称のリスク
「転職回数が多いから、短い職歴は省略したい」と思う方もいるかもしれません。しかし、職歴の省略は経歴詐称と見なされるリスクがあるため、基本的にはすべて記載するべきです。
社会保険の加入履歴は年金事務所に記録が残っています。入社手続きの際に年金手帳や雇用保険被保険者証を提出する必要があるため、省略した職歴がバレる可能性は十分にあります。
経歴詐称が発覚した場合、入社後であっても懲戒解雇や内定取り消しの対象になることがあります。リスクを考えると、正直に記載するのが賢明です。
ただし、数日〜1ヶ月程度の超短期の在籍で社会保険に加入していなかった場合は、記載しなくても問題ないケースもあります。判断に迷う場合は転職エージェントに相談してみましょう。
転職回数が多い人が好印象を与えるコツ
職歴が多いこと自体はマイナスではありません。書き方と伝え方次第で、プラスの印象に変えることができます。
- 一貫性をアピールする:業界や職種に一貫性がある場合は、「営業一筋で○年のキャリア」のように統一感を見せましょう
- キャリアアップの流れを見せる:転職のたびにスキルアップしていることがわかる書き方にすると、「計画的にキャリアを築いている人」という印象になります
- 応募先に関連する経験を強調する:職務経歴書で、応募企業に活かせる経験を優先的に詳しく記載しましょう
- 退職理由をポジティブに準備する:面接で「なぜ転職回数が多いのか」は高い確率で聞かれます。「より専門性を高めるため」「キャリアの幅を広げるため」など前向きな回答を準備しておきましょう
近年は転職が一般的になっており、転職回数よりも「そこで何を得たか」が重視される傾向にあります。各社でどんなスキルを身につけ、どんな成果を出したかを具体的に伝えることが大切です。
この「各社で何を得たか」は、頭の中だけで振り返ろうとすると意外と言葉になりません。会社ごとに書き出せる自己分析ワークブックを使うと、バラバラに見えた経歴に共通する軸が見えてくることもあります。
🦁 ナビ助のおすすめ!
転職回数の目安|何回から「多い」と見られるのか
「転職回数が多い」と感じる基準は、年代によって異なります。
| 年代 | 転職回数の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 20代 | 3回以上 | 2回までは一般的。3回以上だと早期離職の傾向を懸念される |
| 30代 | 4回以上 | 3回までは許容範囲。キャリアアップのための転職は好意的に見られることも |
| 40代以上 | 5回以上 | 経験の豊富さとしてプラスに捉えられるケースも増えている |
ただし、これはあくまで目安です。同じ転職回数でも、「すべて半年以内の退職」と「3〜5年ごとの計画的な転職」では印象がまったく異なります。

Q&Aコーナー
Q. 派遣社員やアルバイトの経歴も全部書くべきですか?
A. 正社員としての職歴はすべて記載するのが基本です。派遣社員・契約社員の経歴も期間が長い(6ヶ月以上など)場合は記載しましょう。アルバイトについては、応募先の仕事に関連する経験であれば記載してアピール材料にできますが、関連性がない場合は省略しても問題ありません。
Q. 在籍期間が短い会社(3ヶ月未満)は省略してもいいですか?
A. 社会保険に加入していた場合は記載するのが安全です。加入記録から在籍が判明する可能性があるため、省略すると経歴詐称と見なされるリスクがあります。社会保険未加入の超短期在籍であれば省略しても問題ないケースが多いです。
Q. 会社が倒産・合併した場合はどう書けばいいですか?
A. 「株式会社○○ 入社(現・株式会社△△)」のように、当時の社名と現在の社名を併記しましょう。倒産の場合は「会社倒産により退職」と記載すれば、面接でもスムーズに説明できます。
Q. 職歴が多いことを面接でどう説明すればいいですか?
A. 面接で転職回数の多さを聞かれたら、「各社で○○のスキルを身につけ、キャリアの幅を広げてきた」と前向きに伝えましょう。ネガティブな理由(人間関係・待遇不満)をそのまま伝えるのは避け、「より専門性を高めるため」「新しい挑戦をするため」といったポジティブな表現に言い換えることが大切です。一貫した軸(同じ業界・同じ職種など)がある場合は、それを強調するとさらに説得力が増します。
この質問は転職回数が多い人にはほぼ必ず飛んでくるものなので、回答例が載っている面接対策本で言い回しのパターンを仕入れておくと、当日詰まりにくくなります。
Q. 職務経歴書と履歴書で職歴の書き方に違いはありますか?
A. 履歴書の職歴欄は「事実の一覧」、職務経歴書は「経験の詳細」を書く場所です。履歴書には会社名・入退社年月を簡潔に記載し、業務内容の詳細や成果は職務経歴書に記載しましょう。この役割分担を意識することで、職歴が多くても履歴書をスッキリまとめることができます。
職歴が多い場合の職務経歴書の工夫
履歴書と合わせて、職務経歴書の書き方も工夫しましょう。職歴が多い場合に効果的な職務経歴書のフォーマットは「キャリア式」です。
「編年体式」(時系列順に全社の業務を書く方式)だと、職歴が多いほど冗長になりがちです。一方「キャリア式」は、スキルや職種ごとに経験をまとめるため、応募先に関連するスキルを強調しやすいメリットがあります。
| フォーマット | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 編年体式 | 時系列順に全社の職歴を記載 | 職歴が少ない人・一貫したキャリアの人 |
| 逆編年体式 | 直近の職歴から順に記載 | 直近の経験をアピールしたい人 |
| キャリア式 | スキル・職種ごとに経験をまとめる | 転職回数が多い人・異業種経験が多い人 |
キャリア式で書く場合は、冒頭に「職務要約」を3〜5行で記載し、その後に「活かせるスキル・経験」をカテゴリごとにまとめると読みやすくなります。
キャリア式は自由度が高い分、いざ書こうとすると迷いやすい形式でもあります。3つの形式それぞれの記載例が載っている書き方本を手元に置いておくと、自分の職歴に合う型を選びやすくなります。
まとめ
職歴が多い場合の履歴書は、工夫次第で読みやすく好印象を与えるものに仕上げることができます。
- 職歴はすべて正確に記載する(省略は経歴詐称のリスクあり)
- 入社・退社を1行にまとめる等の工夫でスペースを確保する
- 詳細は職務経歴書に任せ、履歴書は簡潔にまとめる
- 転職回数より「何を得たか」をアピールすることが重要
- 応募先に関連する経験を重点的にアピールする
転職回数が多いことを気に病む必要はありません。それだけ多くの経験を積んできたという事実は、伝え方次第で大きな武器になります。大切なのは、「なぜ転職したのか」「各社で何を学んだのか」を自分の言葉で語れるよう準備しておくことです。
職歴が多い方は、書類の工夫と面接の準備、この2つに力を入れることで通過率を大きく向上させることができます。まずは履歴書と職務経歴書を見直し、第三者(転職エージェントなど)にチェックしてもらうことから始めてみてください。
職歴欄の具体的な書き方例はリクルートエージェントの職歴欄ガイドが参考になります。また、転職回数が多い方向けの面接対策はロバート・ハーフの解説記事も参考にしてみてください。
🦁 ナビ助のおすすめ!


