転職すると住民税はどうなるのか。給料から天引きされなくなる?自分で払わないといけない?意外と知らない方が多い住民税の手続き問題について解説します。
転職のタイミングによって住民税の支払い方が変わります。特に退職月によっては一括で大きな金額を支払うケースもあるので、事前に知っておくと安心です。
税金に関する詳細は国税庁公式サイトで確認できます。転職時の各種手続きはdodaの転職ガイドでもまとめられています。
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住民税の基本を知っておこう
転職者が「お金の問題」でつまずくケースの中で、住民税絡みはかなり多い部類に入ります。まずは基本を押さえておきましょう。
住民税は前年の所得に対してかかる税金で、6月〜翌5月の12回に分けて支払います。会社員の場合は給料から天引き(特別徴収)されるのが一般的です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 計算の基準 | 前年1〜12月の所得 |
| 徴収期間 | 6月〜翌年5月 |
| 特別徴収 | 会社が給料から天引き |
| 普通徴収 | 自分で納付書で支払い |
| 税率 | 一律10%(所得割)+均等割 |
ここで重要なのは「住民税は後払い」という点です。今月の給料から引かれている住民税は、今の収入にかかっている税金ではなく「去年の収入にかかっている税金」なんです。この仕組みを理解していないと、転職時に「なんでこんなに取られるの?」と混乱することになります。

退職時期別の住民税の扱い
退職時期と住民税の関係は、事前に把握しておくべき重要ポイントです。
| 退職時期 | 住民税の扱い | 注意点 |
|---|---|---|
| 1月〜5月に退職 | 5月分までを最終給与から一括徴収 | 最終給与が大幅に減る可能性あり |
| 6月〜12月に退職 | 普通徴収に切り替え(自分で納付)or 一括徴収 | 自分で支払い忘れないよう注意 |
1月〜5月退職の場合
5月までの住民税が最終給与から一括で天引きされます。たとえば2月に退職する場合、2月〜5月の4ヶ月分が一気に引かれるので、手取りがかなり少なくなります。この仕組みを知らずに「最後の給料少なすぎ…」と焦る方が非常に多いです。
具体的な金額で見てみましょう。前年の年収が500万円の場合、住民税は年額約24万円。月額にすると約2万円です。2月に退職すると、2月〜5月の4ヶ月分=約8万円が最終給与から一括で引かれることになります。退職金が出ない場合、最終給与が大幅に減るので、事前にシミュレーションしておきましょう。
6月〜12月退職の場合
2つの選択肢があります。残りの住民税を退職時に一括で払う(一括徴収)か、自分で分割払いする(普通徴収)かです。普通徴収を選んだ場合、市区町村から納付書が届くので、期限内に支払いましょう。
たとえば9月に退職する場合、10月〜翌5月の8ヶ月分の住民税が残っています。一括徴収を選ぶと約16万円(年収500万円の場合)が最終給与から引かれ、普通徴収を選ぶと自分で分割(通常は4回)で支払うことになります。転職先がすぐに決まっている場合は一括徴収を選ぶのが楽です。

転職先での住民税の引き継ぎ
すぐに転職する場合
前の会社から転職先へ特別徴収を引き継ぐ手続き(特別徴収の継続)ができます。この場合、転職先の給料から引き続き住民税が天引きされるので、自分で何かする必要はほぼありません。前の会社と転職先の両方に「特別徴収の切り替え」を依頼しましょう。
手続きの流れは以下の通りです。
- 退職時に前の会社に「特別徴収の切り替え手続き」を依頼
- 前の会社が「給与支払報告・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」を自治体に提出
- 転職先の入社手続き時に「住民税の特別徴収の引き継ぎ」を経理に依頼
- 転職先が自治体に届出を行い、天引き開始
この手続きをスムーズに進めるために、退職時に「住民税の特別徴収額通知書」をもらっておくと、転職先の経理とのやり取りが楽になります。

空白期間がある場合
退職から入社まで期間が空く場合は、一旦普通徴収になります。転職先に入社した後、改めて特別徴収に切り替える手続きを行います。転職先の経理に「特別徴収に切り替えたい」と伝えれば対応してくれます。
空白期間中に届く納付書は、金額が大きいとびっくりしますが、これは通常の住民税です。分割で支払うことになるので、1回あたりの金額が数万円になることもあります。転職活動中の資金計画には、この住民税の支払いも織り込んでおきましょう。
転職時の各種手続きの概要は厚生労働省でも確認できます。ハローワークでも手続きの相談ができます。
住民税の金額シミュレーション
| 前年の年収 | 住民税の年額目安 | 月額目安 |
|---|---|---|
| 300万円 | 約12万円 | 約1万円 |
| 400万円 | 約18万円 | 約1.5万円 |
| 500万円 | 約24万円 | 約2万円 |
| 600万円 | 約30万円 | 約2.5万円 |
| 700万円 | 約37万円 | 約3.1万円 |
| 800万円 | 約45万円 | 約3.8万円 |
1月に退職して一括徴収されると、5ヶ月分(約5万〜19万円)が一気に引かれます。転職活動中の資金計画に影響するので、事前に把握しておきましょう。
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転職で年収が大きく変わった場合の住民税
転職で年収が大きく変動した場合、住民税の「後払い」の仕組みが影響します。
年収が上がった場合
転職して年収が上がっても、その年の住民税は前年の(低い方の)年収で計算されるため、天引き額は少なめです。翌年6月から新しい年収をベースにした住民税が適用されるので、「翌年の手取りが思ったより少ない」と感じることがあります。年収アップした場合は、翌年の住民税増加を見越して貯蓄しておくのが賢明です。
年収が下がった場合
逆に年収が下がると、前年の高い年収に基づく住民税が重く感じます。新しい年収に対して住民税の割合が高くなるので、生活が苦しくなることもあります。この場合、自治体によっては「住民税の減免制度」が利用できることがあります。大幅な収入減があった場合は、市区町村の税務課に相談してみましょう。

住民税以外に転職で注意すべき税金・社会保険
住民税だけでなく、転職時には他にもお金関連で注意すべきポイントがあります。あわせて確認しておきましょう。
| 項目 | 転職時の対応 | 注意点 |
|---|---|---|
| 所得税 | 年末調整 or 確定申告 | 転職先で前職の源泉徴収票を提出 |
| 健康保険 | 転職先の健保に加入 or 任意継続 | 空白期間は国保に加入が必要 |
| 年金 | 転職先の厚生年金に加入 | 空白期間は国民年金の手続きが必要 |
| 雇用保険 | 転職先で加入(自動) | 離職票は必ずもらっておく |
特に「源泉徴収票」は前職からもらい忘れる人が多いです。年末調整で必要になるので、退職時に必ず受け取っておきましょう。もし退職後にもらえていない場合は、前の会社に連絡して郵送してもらいましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 住民税の手続きを忘れるとどうなる?
普通徴収の納付書を無視すると、延滞金が発生します。さらに放置すると差し押さえの対象になることもあるので、納付書が届いたら必ず期限内に支払いましょう。
Q. 転職先に前の会社の年収がバレる?
住民税の金額から前年の年収が推測される可能性はあります。ただし、経理担当者が個人の住民税額を詮索することは通常ありません。
Q. 退職後に届く住民税の納付書が高すぎるのですが…
住民税は「前年の所得」に基づいて計算されます。在職中に高い年収だった場合、退職後も高い住民税を支払う必要があります。減免制度がある自治体もあるので、市区町村の税務課に相談してみましょう。
Q. 副業の住民税を普通徴収にするには?
確定申告の際に「住民税の徴収方法」で「自分で納付(普通徴収)」を選択すれば、副業分の住民税が給料から天引きされず、自分で支払うことになります。
Q. ふるさと納税の控除はどうなる?
転職しても、ふるさと納税の住民税控除は問題なく適用されます。ワンストップ特例を利用していた場合、年末調整か確定申告で正しく処理されます。ただし、転職で確定申告が必要になった場合は、ワンストップ特例が無効になるので確定申告でふるさと納税の控除も申告しましょう。
Q. 住民税はクレジットカードで支払える?
多くの自治体でクレジットカード払いに対応しています。ポイントが貯まるメリットがありますが、決済手数料がかかる場合もあるので、ポイント還元率と手数料を比較して判断しましょう。PayPayなどのスマホ決済で支払える自治体も増えています。
Q. 確定申告は必要?
同じ年に2社以上で働いた場合、転職先で年末調整を受けるのが基本です。前職の源泉徴収票を転職先に提出すれば、通常は確定申告不要です。ただし、退職金を受け取った場合や医療費控除を受けたい場合は確定申告が必要になります。
まとめ
転職時の住民税は、退職時期によって対応が変わります。事前に把握しておけば慌てません。
- 1月〜5月退職は5月分まで一括徴収、最終給与が減るので注意
- 6月〜12月退職は普通徴収か一括徴収を選択
- 転職先への特別徴収の引き継ぎ手続きを忘れずに
- 空白期間がある場合は普通徴収→入社後に特別徴収に切り替え
- 納付書が届いたら必ず期限内に支払う(延滞金を避ける)
- 年収が大きく変動した場合は翌年の住民税への影響を考慮
- 前職の源泉徴収票は必ず受け取っておく
住民税は地味ですが、知らないと損をする部分が多い税金です。この記事を参考に、スムーズな転職を実現してください。

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